院長のゆかいな日記この日記は不定期更新です。お時間のあるときにフ〜ンくらいの気持ちでお付き合い頂ければと思います。

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
恩師が。お亡くなりになりました。 13:17
0

    恩師から教えて頂いたこと。

    柔道整復師としての心構えと一生を食べることに困らない技術です。

     

    何も分からない、何も知らない私が18歳から住み込みで6年間、恩師の元で修業に入らせて頂きました。

    2年間、患者様を触らせてもらえなかった日々で忘れられない思い出があります。

    掃除や、洗濯された包帯を巻いたり、受付や電気をかけたり、保険の仕事などをさせてもらっていました。

    学校の友人は「こんな患者様を触らせてもらった。」「こんなことが出来るようになった。」と耳にすると、気持ちは焦るばかりで面白くない毎日が続きました。

     

    国家試験に合格し、やっと患者様を触れる日がきました。

    毎日、飽きるほど見てきたマッサージ。ところが、壁に突き当たるのに時間はかかりませんでした。

     

    同じ所を触るのに良くなって頂けないことに苛立ちを覚え、直ぐに答えを出したい私は『本当は別の道があったのではないか?』『もっと、違う事をやりたい』と逃げの、安易な答えを心のどこかに求めだしました。

     

    そんな時先輩から心を見すかれたようにきつい一言がありました。「お前のはマッサージだ!俺と先生のやっているのは治療だ!そこは、似ても似つかない、天と地ほどの差がある!一からやり直せ!」分からないまま毎日の挨拶から、あらゆる面で柔道整復師としての心構えをやり直す決意を立てました。

     

    「分かりました!明日から頑張ります!」とは答えたものの何一つ答えて出来ることはありませんでした。

    技術面では元に戻すことは口やかましく言われました。「元に戻せるようになったら食べれるが、いいか、この道を選んで戻せなかったら話にならない。ミリ単位を横着にするな!」と、言われました。

    そして「良くならなかったら玄関の鍵を閉めても帰ってもらってはならない」と言う言葉でした。

    患者様に何度も頭を下げてやり直しました。やり直すことは屈辱ですが、治せるスピードは桁外れに早くなりました。

     

    ある日、忘れられない日が来ます。

    小学校6年生の女の子が自宅のガレージで遊んでいて転倒し右手を衝いて来院しました。その日は日曜日で私が診ることになりました。手は明らかな骨折です。フォーク背状に変形している橈骨遠位端骨折です。いつも傍らで見てきた骨折です。動揺することもなく、付き添いのご両親様に「この歪みを今から元に戻すので、見ておいて下さいね。」不安そうに見られていたご両親様は頷くこともないまま、元に戻しました。

    きれいに変形が無くなると、ご両親はお互いに顔を見合わせて大きく頷くと嘘のように笑顔になりました。

    その日以来、すべてを任せてもらえるようになりました。

     

    出来は決して良くなかった私です。

     

    開業後も毎年、先生にスタッフのみんなを連れて挨拶に行きます。

    ある年、先生と二人の時間に「不出来な弟子で申し訳ありませんでした。」と言うと聞こえていなかったのか、黙っておられました。

    その後、私の弟子の前で、突然「お前たちの先生が俺の弟子にいることは俺の誇りだ。」と、強い口調で言われたことはとても嬉しく思うのと同時に背筋がピンと張りました。

     

    その後も先生から教えて頂いた技術で治せないゼロを目指し、目指して伝説を作ってやる!と思いました。

     

    そのまま、毎日が過ぎていきました。

    先生の体調が良くないと聞かされました。飛んでいきましたが、意外と話も出来ました。「良かった!」と、安堵の中毎日の仕事に励んでいました。

     

    娘さんから連絡があり、かなり悪いと、入院されていることを聞き、何度もお見舞いに行かさせて頂きました。

    ある日、病室で息子さんと話していると、お父さんにこんな患者様も治せることを教えてもらったて沢山の患者様に喜んでもらっていることを治せた写真を見てもらうと、ビックリされ、「お父さん、凄い、この写真見てみて!」と言って、あまり会話が出来ない先生に見てもらいました。

    先生は自分でメガネを外すと、一言小さな声で「日本一や。」と言って下さいました。

     

    本当に嬉しい一言でした。

     

    その後も何度かお見舞いに行かせてもらいましたが、それが先生との最期の会話になりました。

     

    これからも、患者様に喜んで頂き、益々謙虚になって勉学に励み治せないゼロを目指して恩師から褒められるような柔道整復師でありたいと思います。

     

    首の歪みです。

     

    Tさんは洗浄機を長時間使って息も出来ない、体勢も変えれない程の痛みが右の背中に走って来院されました。

    恩師から教えて頂いた技術で元に戻すと、説明の必要はありませんよね。

     

    もちろん、とても喜んで帰って頂きました。

    こういうことを恩師から教えて頂いたんです。

    食べれないはずがない。感謝しかありません。

    来院時です。 10分後です。

     

    | - | comments(1) | trackbacks(0) | posted by 院長先生 - -
    | 1/1 |